「営業って辛い」と感じているあなたへ: 営業職の辛さを解消するためのヒント、 そして転職という選択肢

目標達成のプレッシャー、顧客との難易度の高い交渉、不規則な勤務時間。営業職についているあなたなら、きっとこのような経験をしていることでしょう。その辛さ、苦しさを、私は心の底から理解しています。何を隠そう、私もかつては営業職で働き、メンタルブレイクぎりぎりまで苦しんだ経験があるからです

その頃の生活は、朝早くから夜遅くまで働き、休日も営業活動に追われ、気づけば自分の時間がほとんどないそれでも目標は達成しきれず、ストレスは溜まる一方。それは、まるで終わりの見えない戦いのようでした。

そんな中で顧客からの拒否を受け入れ、必死に自分を奮い立たせること。それは営業職ならではの苦労です。何度も「NO」を言われ、自信を失いそうになる。しかし、それでも笑顔を絶やさず、次へと進む。こうした苦労は、他の職種では経験できないものです。

そんな営業職で頑張っている皆さまの悩みや苦労に寄り添い、共に解決策を見つけていきたい。それがこの記事の目的です。この記事を選んだくださったあなた日々の生活が少しでも楽しくなることを願って、本題に入っていきたいと思います。

営業職で辛いと感じる5つのポイント

まずは、営業職がなぜ辛いと感じるのか、私の経験に基づき、その理由を詳細に整理してみましょう。皆さまから「そうそう、その気持ちわかる」と共感してもらえれば何よりです。

プレッシャーとストレス

  • まず挙げられるのは、いわゆるノルマ達成のプレッシャーとストレスではないでしょうか。営業職には、売上目標やKPIの達成、そして新規顧客の獲得など、絶え間ないプレッシャーによるストレスが伴います。
  • これらのノルマが達成可能なものであればまだマシですが、中には市場環境を無視して毎年成長を求められるようなこともあるでしょう。また、完全歩合の仕事をしていれば収入にも直結する問題になります。毎日、寝ても覚めても数字のプレッシャー。これでは神経が疲弊してしまってもおかしくありません。

顧客とのコミュニケーション

  • さまざまなバックグラウンドを持つ顧客とのコミュニケーションは、営業職の大きな醍醐味ですが、同時に大きな負担でもあります。顧客との関係を築き、信頼を勝ち取るまでの道のりは決して短くはありません
  • 営業職の世界には「断られてからが本当の営業活動である」といった言葉があるように、顧客からの「No」を前提としていますが、実際のところ、相手から拒否される経験は精神的に辛いものです。
  • コミュニケーションが好きな人であればまだ良いのかもしれません。でも、私のように「そもそも人付き合いは最低限にしたい人」にとって、仕事でしか関わらない人のために気を遣い、相手のことを好きになれない場合でも少しでも気に入られるための努力を続ける、というのは相当のストレスでした。

不規則な労働時間

  • 営業職は顧客の都合に合わせることが多く、早朝から深夜までの労働や休日出勤が求められることもあります。自分の時間を確保するのが難しいことから、プライベートとのバランスを保つことが難しくなることもあります
  • 私も医療系の営業職をしていましたが、移動中はずっと車の運転、やっと病院に着いたら待合室で1時間近く待って、ようやく面会しても話せるのは3分程度、ということも多々ありました。腕時計を見たら時間はもう夜の8時。家に帰ってご飯を食べたらもう寝る時間です。にも関わらず、寝る間を惜しみながら移動時間にできなかった事務作業をサービス残業で片付ける。こんな生活のどこにやすらぎがあるのでしょうか

絶え間ない競争

  • 営業は常に競争が存在します。他の営業スタッフや他社との競争に勝つことが求められ、自身のパフォーマンスを常に上げる必要があります。自分自身との戦いでもありますが、他の人との比較からくるプレッシャーも否応なく感じることとなります
  • 私の会社でも、本来仲間であるはずの同僚にもお互いに常にライバル意識を持っていて、本来であれば会社の役に立つような情報でも、ライバルが有利にならないように自分だけで留めておく、なんてことも往々にしてありました。「常に勝ち続けなくてはいけない」。常に鎧を着た生活がいつまでも続くと思うと、終わりの見えない戦いの日々にうんざりしたものでした

数字至上主義による目的意識の欠如

  • 営業職では常に結果が重要視されます。会社によってはその過程を評価する仕組みもあるかもしれませんが、多くの場合、まずは売上目標を達成することを求められます
  • 本来の営業職とは、自社製品でお客様のお役に立てるような提案をして、その対価として売上がついてくるもの。しかし多くの会社では、そんな綺麗事は通用しません。実情は、「まず目標売上があって、そこに向けて売る理由を作っていく」。目的と行動がまるで逆になっていることがほとんど。しかも、その数字のプレッシャーは年々強まるばかり。自分が何のためにその会社に入り、何のために自社製品を販売しているのか。その意義を見失って苦しむ人もたくさんいるのではないでしょうか

営業職で辛いと感じたときの対処法

では、営業職が抱えるこれらの問題にどう対処すればよいのでしょうか。以下に、私の実体験も含めながら、具体的な解決策をいくつか提案します。

スキルアップ自己啓発

  • 営業スキルを磨くためのトレーニングやセミナーに参加しましょう。営業におけるコミュニケーション技術、交渉術、プレゼンテーションスキルなどを高めることで、自信をつけ、パフォーマンスを向上させることが可能です。
  • ビジネス関連の書籍を読んだり、オンラインコースを受けたりすることも自己啓発につながります。自分自身を成長させることで、営業におけるストレスを管理しやすくなります。
  • 私も読書を通して新しい営業方法を試してみたり、得意のプレゼンテーション能力を活かして得意先に勉強会を提案したりすることで、日々の営業活動に楽しみを見出し、活動を続けていました。人は誰しも「新しいことを試すとき」と「自分が得意なことをするとき」には楽しみを感じられるものです。日々の活動にこうした楽しみを盛り込めるように工夫してみることをオススメします。

メンタルヘルスのケア

  • 心理カウンセリングやリラクゼーションテクニックを活用しましょうメディテーション、ヨガ、深呼吸などのリラクゼーションテクニックは、短期的なストレスリリーフに有効です。
  • また、長期的な視点でメンタルヘルスをサポートするためには、心理療法やカウンセリングを受けることを検討してみてください。
  • 私も、自分が何にストレスを感じているのかを理解するために心理学の勉強をしたり、妻に仕事の愚痴を聞いてもらうことでストレスを発散したりして、なんとかメンタルを維持していました。

ネットワーキングとサポート

  • 同僚や他の営業プロフェッショナルとのネットワーキングを通じて、経験やアイデアを共有しましょう。その他の営業人から学び、相互にサポートすることで、営業活動のクオリティを向上させることができます
  • また、メンターやコーチを見つけることも有効です。その人たちから直接学び、フィードバックを得ることで、営業スキルを向上させることが可能です。
  • 私は妻が同業他社の営業だったので、妻の営業方法をよく真似して活動していました。自分の周りにいる同僚に話を聞いても結局は似たような意見しか聞けないので、こうした活動ではぜひ、同業他社や、他部署の人に相談してみることをオススメします

仕事とプライベートのバランス

  • 営業職では時間管理が非常に重要です。有効なスケジュール管理を行い、仕事とプライベートのバランスを保つことが大切です。適切な休息とリラクゼーションは、ストレスを軽減し、パフォーマンスを維持するために不可欠です。
  • 例えば、時間を具体的にスケジュール化し、優先順位を明確にすることで、時間を効率的に使うことができます。また、必要以上に長時間働くことは避け、リフレッシュのための時間を確保することも忘れずに
  • 私は週に一度は訪問活動をセーブする日を作り、お気に入りのカフェで報告書や提案資料作成等の事務作業をしていました。そして、勤務時間が終わったらそのまま近くの銭湯に行ってゆったり時間を過ごしていました。営業職は比較的自由度が高い仕事。こんな風に、自分なりのリフレッシュ方法を日々の活動に織り込んでみると良いかもしれません

転職を考慮する

  • もし現在の状況が改善しない場合や、営業職自体が合わないと感じるなら、転職を考えるのも一つの選択肢です。自分に合った職種や企業文化を見つけることで、職場でのストレスを軽減することが可能です。
  • 転職について考える際には、自分のキャリアゴールを再評価し、どのような環境や役職が自分にとって最適かを見極めることが重要です。
  • 私も、心底、営業職が向いていないと感じていたので、公務員への転職を志したことがありました。営業職の経験しかなかったので、転職市場でも営業職ばかり提案されたこともあり、どうせなら営利団体ではなく、公共団体で競争の少ない環境で働きたいと思い、自分が住んでいた地域の市役所に経験者採用でチャレンジし、無事に合格することがありました。最終的には、後述する別部署への異動が決まったため、会社に留まる選択をしたのですが、「いざとなったら転職できる」という成功体験を得られことは、その後も良い自信になりました

他部署への異動を打診する

  • 転職をする気はない場合、もし他の役職や部署に興味があると感じるなら、異動を打診するのも有効な手段です。
  • その場合は、自分のスキルと経験が新しい役職に適しているか、あるいは適応できるかを慎重に評価すること。会社に向けて自分が異動したい理由を明確にすること。上司やHRに打診する際には、自分の考えを具体的かつ誠実に伝えることが大切です。
  • 私は社内公募制度を利用して、内勤の部署に異動することができました。営業時代のストレスからすっかり解放されて、新しいチャレンジを楽しむことができています。また、営業時代に得られたスキルや経験は新しい部署では自分の強みとなっていて、それを活用することで毎年高い人事評価を獲得することができています
  • 転職にはそれなりに労力やリスクが伴います。もし社内で異動の機会があるのであれば、そこに向けて積極的に活動してみることをオススメします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。営業職の辛さを乗り越えるためには、まずその悩みを認め、それに向き合うことが大切です。

「みんな苦労しているのだから、自分なんてまだまだ…」。そんな風に決して思わないでください。辛いものは辛いんです。特に営業職は、前述したように多くのストレス要素が詰まった仕事です。もちろん、その分やり甲斐もある仕事ですが、人によっては「やり甲斐<辛さ」になってしまっても全くおかしくありません。むしろ普通のことでしょう

今回紹介したような対処法を試すことで、営業職を辛いと感じている皆さまの生活が少しでも楽になることを願っています。そして、いろいろ試した結果、どうしても辛いようであれば、無理せず仕事を変えることをオススメします。そこでは、あなたが散々つらい思いをした経験が、必ず生きることになるでしょう

あなたの人生が今よりもっと楽しいものになることを願っています!それではまた、次回の記事でお会いしましょう!