子供に英語の早期教育は必要か?【結論:無理にさせなくても平気】
こんにちは!
みなさまの中には、子供に早期教育をさせてあげた方が良いのか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、「子供に英語の早期教育は必要か?」という問いについて、外資系企業で英語を使いながら仕事をしている筆者の観点から、考えていきたいと思います!
- 結論:英語の勉強は必要になってからでも間に合いました
- 子供に無理に英語学習をやらせるデメリット
- どういった場合に英語の早期学習を取り入れるべきか?
- まとめ:早期学習はあくまで子供の主体性ありき。ただし、小学校3年生になる前には、簡単な単語くらいは知っておくと良い。
結論:英語の勉強は必要になってからでも間に合いました
まず私の結論なのですが、自分自身の経験から、英語の勉強は仕事で必要になってからでも十分だと考えています。
私は営業から内勤に異動して、そこから英語が必要になりましたが、1年も働いていれば、ほぼ英語で困ることなく働けるようになりました。
もちろん、今でも英語の会議に出れば聞き取れないことも全然ありますが、自分が本当に必要な情報であれば、その場で質問するなり、同席していた人に質問するなり、会議の録画を見直すなり、いくらでも取り返しがききます。
また、御存知の通り、今では優秀な翻訳ツールも数多くあるため、メールの作成や読解で苦労することもほとんどありません。
会議で発表が必要な場合には、事前に話したいことをまとめて翻訳ツールにかけておいて、手元にカンペとして持ちながら話せば必要な情報は伝えることができます。
そもそもですが、使用場面のない語学学習なんてマジで意味ないです。
みなさまもちょっと思い浮かべてみてください。
「日常生活や仕事で使う予定はないけど、将来使うかもしれないから」程度の動機で始めた勉強で、続いたことってあるでしょうか??
仮にこうした将来の不安からくる学習を「強迫観念型学習」とでも呼びましょう。
もしお子様に英語の早期教育をさせてあげる場合には、この「強迫観念型学習」になってしまう可能性を十分に警戒してください。つまり、子供は別にやりたくもないのに、親が不安なばかりに強制してやらせてしまうことだけは避けてほしいのです。
こうなると、子供にとっては、後述するようなデメリットの原因になってしまう可能性もあるでしょう。
もちろん、子供が自ら「やりたい!」「英語おもしろい!」というのであれば、積極的にサポートしてあげたほうが良いでしょうが、そうでなければ、無理に早期からやらせなくても、学校の勉強についていければ十分だと思います。
子供に無理に英語学習をやらせるデメリット
英語の早期学習をさせることのメリットがたくさんあることは、もちろん筆者も理解していますが、ここではあえて、早期学習のデメリットについて、整理していきたいと思います。
学習へのストレスや興味喪失
子供たちが強制される形で英語学習をする場合、学習そのものに対する興味や楽しさが薄れてしまう可能性があります。
前述した通り、子供に無理に英語学習をやらせてしまうと、子供はやりたくもないのに「やらされ感」を感じながら学習することになるためです。
場合によっては、やりたくもないことを無理やりやらされることへの不安、恐怖感を引き起こす可能性もあるでしょう。
その結果、勉強自体が嫌いになってしまったら、長期的な観点からも、学力向上を阻害することになります。
他の重要なスキルの発達の遅れ
英語学習に過度な時間とエネルギーを注ぐことは、他の重要なスキルや活動の発達を阻害する可能性があります。
例えば、社会的スキル、クリエイティブな活動、スポーツ、または子供自身が楽しむことができる他の趣味や活動が含まれます。
想像してみてください。英語だけ流暢に喋れるけど、周りから距離を置かれている子供になっちゃったら寂しいですよね。
友だちと遊んだり、趣味を楽しみながら遊ぶ時間が減ってしまうことは、健全な成長への妨げにもつながるです。
母国語の発達への影響
英語教育に重きを置きすぎると、母国語の発達がおろそかになる可能性もあります。
特に日本語は英語とは根本的に文法の異なる言語であるため、同時に語学学習をすることの相乗効果が期待できません。
その結果、本来時間をたっぷりとかけて育成するべき母国語の発達が犠牲になってしまうリスクが高いのです。
母国語の発達は子供の認知的、社会的スキルの発展や、学業の成功に直接影響を与えます。英語の習得だけを優先して、こうした他の成長を阻害してしまっても良いのか、慎重に考えたほうが良いでしょう。
また、仮にネイティブのように流暢で美しい英語を話せたとしても、中身のないペラペラな話しかできないようでは本末転倒です。
英語はあくまでコミュニケーションツールに過ぎません。「何語で話すか」よりも先に、「何を話すか」がベースに必要であることを意識しなくてはなりません。
どういった場合に英語の早期学習を取り入れるべきか?
では、どういった子供であれば、英語の早期教育をさせてあげることがプラスに働くのでしょうか。2つ紹介したいと思います。
1.子供が英語に興味を持っている場合
もしお子様が身近で英語に触れる機会があり、本人が英語に関心を持っている様子が見て取れる場合であれば、ぜひその力を伸ばしてあげるのが良いでしょう。
学習理論の中でも有名な自己決定理論では、「内発的な動機づけ」(≒自分がやりたいからやる)が学習結果を向上させると述べられています。
内発的動機付けとは内面に沸き起こった興味・関心や意欲に動機づけられている状態のこと。
動機づけの要因は金銭や食べ物、名誉など、外から与えられる外的報酬に基づかないものを指す。
引用元: 人材育成・研修・マネジメント用語集
リクルート・マネジメント・ソリューションズ
例えば無料でサンプルが貰える英語教材を聴かせてみたり、英語の体験教室に連れて行ってあげるなど、英語を体験できる環境に一度連れて行ってあげると良いでしょう。
もし英語に興味を持ち、楽しく学習できそうであれば、それは内発的動機づけによる学習と言えます。その場合は、モチベーションを維持しながら、やらされ感なく学ぶことができるでしょう。
2.小学校3年生で英語教育が始まる前
2020年から小学校での英語教育が必修化され、3年生から英語の授業が始まることとなります。
この「小学校での英語教育」が始まる前に、予習として英語の学習をさせてあげるのはプラスの効果が期待できます。
なぜなら、子供が授業の内容をある程度理解していると、その学習領域に対する自信が向上するためです。この自信が、学習意欲を高め、新しい情報をよりよく吸収するための基盤を作ります。
また、「わかる」という感覚は学ぶ楽しさにつながります。子供が楽しんで英語学習に臨めることが、何よりも学習効果を促進するのです。
加えて、基本的な概念を理解してから授業に臨めば、初めて学ぶ子供よりも、より深く理解することが可能になります。そのことは、積極的に質問をしたり、ディスカッションに参加したりするモチベーションにもつながるでしょう。
まとめ:早期学習はあくまで子供の主体性ありき。ただし、小学校3年生になる前には、簡単な単語くらいは知っておくと良い。
いかがでしょうか。今回、「英語の早期学習を焦る必要はない」ということを、私の経験も踏まえながら説明してきました。
誤解しないで欲しいのは、子供が苦労しないように、少しでも役に立つことを教えてあげたいという親の気持ちはとても尊いものだということです。そのような親の愛情に包まれたお子様はとても幸せだと思います。
ただし、色んな情報が飛び交い、人々の不安を煽るようなニュースを目にする中で、不安に駆られて英語を学ばせる必要はないと思います。
子供のうちは母国語をベースにしっかり遊んで、非認知能力を向上させることが第一です。しっかりとした土台を持って大人になれば、それまで英語学習をしていなくても十分に習得可能ですから。
みなさまのお子様が主体性を持ってすくすくと成長することを心から願っています。もし英語がお好きなお子様であれば、どんどんサポートしてあげてくださいね。
それではまた、次回の記事でお会いしましょう!