営業スキルは他の職種にどう役立つ? : 営業職で磨かれる7つのスキルとその活用法

「営業職って大変そう…」、「でも、スキルを身につけるには良いかも?」。今回の記事では、そんなあなたの疑問に答えていきたいと思います!

実は私自身も、新卒で入社した会社で営業職に配属されたのです。そこから13年もの間、ずっと営業職で仕事してきました。

営業職は確かに厳しい部分がありますが、それだけに成長するチャンスが満載なんです。そして、営業で磨かれたスキルは、他の職種でも存分に活かすことができるものばかりなのです!営業という仕事を通して得られるスキルの一端を今回の記事で一緒に覗いていきましょう!

営業職で鍛えられる7つの主要スキル

まずは、営業職で鍛えられる主要なスキルについて見ていきましょう。もちろん、これらはあくまで一部で、職場や状況により異なりますが、一般的な営業職であれば、以下のスキルの多くを獲得するチャンスがあると思います

  • 1. コミュニケーションスキル

    これは顧客との関係構築に必要な、強力なスキルです。聞き上手になり、顧客のニーズを理解し、その上で適切な製品やサービスを提案する能力が求められます。また、適切なフィードバックを与え、顧客との良好な関係を維持することも重要です。

    こうしたコミュニケーションスキルは、内勤に入るとより有用性が高まってきます。個人で結果を出せば良い営業の仕事とは異なり、内勤の仕事はほとんどがチームで行われるため、社内での円滑なコミュニケーションはスムーズな仕事運びをする上でとても大切なんです。私自身も営業から内勤に異動しましたが、社外の人を相手に利害調整をする苦労に比べれば、目的が同じ社内の人たちとの利害調整は遥かに気がラクで、ストレスなく働くことができています。
  • 2. 営業技術と戦略

    営業では、効果的なプレゼンテーションを作成し、適切なタイミングでクロージングを行うなどのテクニックが求められます。また、個々の営業活動だけでなく、担当エリア全体を管理し、営業戦略を作成する能力も重要です。

    扱っている商材にもよりますが、営業活動はプレゼンテーションの連続です。自分たちの商材について知識のない相手に少しでも伝わるように試行錯誤をしてきた経験に比べれば、社内の人に自分の意図を伝えることなど遥かに簡単です。また、営業は常に相手の立場を想像しながらプレゼンテーションをすることが求められますこうした考え方、相手を説得するための手練手管は、内勤に異動したときに大きな武器になります
  • 3. ネゴシエーションスキル

    価格、納期、サービス条件など、顧客との商談では様々な要素が交渉のテーブルに上がります。このスキルを磨くことで、会社と顧客双方にとって最善の結果を得ることが可能になります。

    まさに利害調整を行うことが営業の仕事ですよね。時には理路整然と論理的に、時には相手の感情に訴えかけて、どうにか自分たちの要求を理解してもらう。営業職以外でも、仕事をするということは常に交渉の繰り返しです。営業を通して獲得した交渉経験の積み重ねは、キャリアを通してあなたの武器となるでしょう
  • 4. 問題解決能力

    顧客が抱える問題を理解し、それを解決する適切な商品やサービスを提供する能力が求められます。これには、顧客の話をよく聞くことから始まり、複数の可能な解決策を考え、最善の提案を行う力が必要です。

    営業職は他のどの職種よりもお客様に近いところで仕事をします全く違う立場の人から話を聞き、どうすれば相手の役に立つか考えて、提案する。こうした問題解決能力は、他の職種では得られません。営業職だからこそより強化できるスキルと言えますし、どの職種においてもとても重要と言えるスキルです。
  • 5. 自己管理スキル

    営業職は自己主導的な役割が多いため、時間管理、優先順位付け、目標設定などのスキルが重要です。これらのスキルは、営業活動を効率的に進めるだけでなく、ストレス管理にも役立ちます。

    もし職種が変わっても、働き方の基本は同じです。仕事に優先順位をつけ、決められた時間内で目標達成に向けて活動する。実は営業職は、他の職種と比べても忙しい仕事です。それは、非常に高度なマルチタスクを求められるからです。得先からも要望があれば、内勤からも事務作業の要望がある。それを、通常の訪問活動との折り合いをつけながらすべてこなしていく。こうした経験は、まさに優先順位付けと時間管理の最たるものです。営業職でしっかり自己管理の習慣が身につけば、シングルタスクの多い内勤に異動してもすぐに仕事に馴染むことができるでしょう
  • 6. 顧客管理スキル

    営業はただ製品を売るだけでなく、長期的な顧客関係を築くことも重要です。顧客のニーズが変化することを理解し、その変化に適応する商品やサービスを提供できる能力、顧客の満足度を維持し、フォローアップを行うスキルも重要です。

    特にフォローアップの習慣は、社内での人間関係構築にも非常に有用です。「こまめにお礼の連絡をする」「不備があった場合はすぐに謝罪する」「重要な話し合いは顔を合わせて行う」といった、営業であれば基本的な心構えは、実は営業以外の職種では一般的でなかったりします。あなたが営業以外の仕事に就いた場合、顧客管理を通して得られたスキルによって周りから一目置かれることになるでしょう。
  • 7. マーケティングとビジネス理解

    顧客のニーズを理解し、それに合った商品やサービスを提供するためには、マーケティングの基礎とビジネス全体の理解が必要です。これには、市場の動向を理解する力、競合分析、製品の価値提案を作成する能力などが含まれます。

    営業以外の職種の人たちが何で苦労するか?最も苦労するのが、現場感がないことなんです。営業職は誰よりも顧客のことがわかっています。人柄やビジネス環境、自分たちの製品への評価、新製品が出た場合の反応、競合の動き方、等々。こうした現場感を肌感覚で持っていることは、どのような職種で働く上でも非常に役に立ちます

これらは営業職で得られるスキルの一部に過ぎません。これら以外にも、営業の仕事を通して得られる知識・経験・スキルは多岐にわたります。辛いことも多い営業職ですが、そこで得られるスキルは非常に汎用性が高く、どの職種においても重要なものであることがご理解いただけたのではないでしょうか。

営業スキルが他の職種でどのように活きるか

さて、これらのスキルがどのように他の職種で活かせるかを考えてみましょう。営業職で獲得したスキルは、様々な分野で適応可能で、キャリアの選択肢を広げます。以下に、営業スキルが他の職種で活きる具体的な例を示します。

  • 1. プロジェクトマネージャー

    コミュニケーションスキルと問題解決能力は、プロジェクトのメンバーとの調整や、進行中の問題の解決に必要です。時間管理や自己管理スキルは、プロジェクトの進行状況を把握し、期限を厳守するために必要です。これらのスキルは、プロジェクトが計画通りに進行し、目標を達成するために不可欠です。

    もしあなたが管理職でなかったとしても、プロジェクトのリーダーを務めるような機会に恵まれることはあるのではないでしょうか。そうした場面でも、営業を通して培ったスキルを活かすことができます。
  • 2. マーケティング

    営業職で得た市場理解と顧客理解は、ターゲット顧客の特定やマーケティング戦略の策定に役立ちます。また、営業で鍛えた説得力は、広告やプロモーションのメッセージ作成に活用できます。

    実際に、マーケティングで成功している人の中には営業職出身の方も数多くいらっしゃいます。営業職を通して得られた「現場感」を持っていることが、マーケティングの仕事においても大きく役立つことは間違いありません
  • 3. カスタマーサービス

    営業で培ったコミュニケーションスキルと問題解決能力は、顧客の問題を解決し、彼らの満足度を高めるために活用できます。また、長期的な顧客関係の構築スキルは、顧客ロイヤルティの向上に寄与します。

    私の周りにも営業からカスタマーサービスに異動した同僚がいますが、非常に優秀です。顧客との対応が上手いことはもちろん、営業時代の人脈を活かして営業担当者とも良好な関係を築き、連携を取りながら顧客対応にあたることで高い顧客満足を達成しています。営業職で培った資産が活かせる仕事と言えるでしょう。
  • 4. 人事(HR)

    営業職で培われた優れたコミュニケーションスキルは、従業員や求職者との関係を構築し、管理する上で有用です。また、営業で培ったネゴシエーションスキルは、労働条件の交渉や人材獲得にも役立ちます。

    内勤の中でも、特に人事の仕事は社員の立場や気持ちを理解することが求められます。そして、多くの会社では、最も人数が多い部署は営業部だと思います。会社の最大勢力についてより高い理解を持っていることは、仕事を進める上で有利に働くことは間違いありません
  • 5. コンサルティング

    営業で培った問題解決能力、戦略的思考、そして強力なコミュニケーションスキルは、クライアントの問題を理解し、解決策を提供するコンサルティング業務に直接的に役立ちます。営業の経験は、クライアントの視点を理解し、彼らのビジネスに対する深い洞察を提供するのにも役立ちます。また、クライアント相手だけではなく、社内の人からの相談事にもより適切に対応することができるでしょう

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、営業職を通して得られるスキルがいかに汎用性が高く、キャリア形成に有用であるか、をまとめてきました。

営業職で獲得できるスキルは多岐にわたり、その範囲は非常に広いです。そしてそれらのスキルは、さまざまな職種や状況で活かすことができます。

一見すると大変な職種のように見える営業職ですが、それだけに成長の機会が満載なんですね。あなたのキャリアの一部として営業職を考える価値は、大いにあると言えるでしょう。

私は自分の性格と営業職が合わなかったため、現在は別の部署に異動しましたが、それでも、営業職を通して培われた経験がなければ今の部署で成果を出すことは難しかったと確信しています。それくらい、営業職を経験しておいて良かったなぁと思っています。

その他の多くの職種と同様に、営業職にも向き・不向きがあります。ただ、もし不向きだったとしても、一定期間、営業職に就くことは必ずあなたのキャリア形成の助けになることでしょう

今回の記事が、皆さまのキャリア形成の一助になることを願っています!それではまた、次回の記事でお会いしましょう!