あなたの上司は良い上司?それとも残念な上司?残念な上司に共通する特徴と、その対処法

皆さんは、「この上司、尊敬できないわー」と感じたことはありませんか?

職場において、上司との関係性は非常に重要です。しかし、時として、「この人はちょっと人としてどうなんだろう」と感じてしまう、そんな上司に当たってしまうこともあるでしょう。そんなとき、あなたはどう対処しますか?

今回の記事では、そんなあなたのために、「尊敬できない上司=残念な上司」として、その特徴と、そのような上司と上手に付き合うための具体的な戦略をご紹介します

まず、残念な上司の共通点を理解することから始めましょう。それを理解すれば、自分の上司がそのカテゴリに該当するのか、そしてどのように対応すべきかが明確になります。次に、残念な上司と上手に付き合うための具体的な戦略を学びます。これらの戦略を身につければ、職場でのストレスを軽減し、より良いパフォーマンスを発揮するための道筋が見えてくるでしょう。

それでは、一緒に詳しく見ていきましょう。

残念な上司の特徴

まずは、残念な上司に共通する特徴を挙げてみます。以下のポイントに当てはまる上司は、一般的に見て、魅力に乏しい残念な上司に見えてしまうことでしょう。

人の意見を聞かない

残念な上司の特徴の一つに、「人の意見を聞かない」というものがあります。これは、上司が自分のアイデアや見解に固執し、部下の意見や提案を全く受け入れようとしない状態を指します。このような上司は、部下の能力を最大限に活用する機会を逃しているだけでなく、チームのモラルやモチベーションを下げる可能性もあります。

優れた上司は、相手の発言がどのようなものであれ、まずはその意見を受け止めてくれるものです。そして、自分と考えが違った場合には、丁寧に話し合いの機会を持ち、双方が納得する形での着地を目指してくれるものです。一方的に自分の意見だけを押し付けてくるような人、とても尊敬できませんよね。

指示が一貫しない

残念な上司はしばしば一貫性のない指示を出すことがあります。これは、プロジェクトの方向性が頻繁に変わる、または同じタスクに対する指示が次から次へと変わる、という形で現れます。この結果、部下は混乱し、タスクの優先順位を決定するのが難しくなるかもしれません。

誤解しないで欲しいのは、「朝令暮改が駄目だ」と言っているわけではないことです。昨今のビジネス環境は刻々と変化します。昨日と今日でビジネス環境が大きく変わることもあるでしょう。そのため、急な指示変更が発生すること自体は避けられません。

問題は、その指示が不明瞭であることなのです。「なぜこのタスクを優先するのか」「なぜ優先順位を変更する必要があるのか」「この指示にはどういった意図があるのか」。相手に自分の考えがしっかり伝わるまで、背景まで含めてちゃんと説明してくれるかどうかが、優れた上司と残念な上司の境界線なのです。

自分の責任を認めない

残念な上司は、自分のミスや失敗に対する責任を他人に押し付けることがあります。これは、自身の過ちを認める能力が欠けているか、または自己のイメージを保つために他人を犠牲にする傾向があることを示しています。こういった振る舞いは、チームの信頼と協調性を損なう可能性があります。

ここでいうミスや失敗というのは、必ずしも本人のミスや失敗に限ったものではありません。なぜなら、管理職の仕事は「部下の仕事をサポートすること」だからです。つまり、何か部下がミスをしたときにも、自分の責任として受け止めることが求められるのです。もし部下がミスをしたのに、自分は関係ないという顔をしていたら、その人は自身の責任を放棄していることになります。

むしろ、「何かあったら私が一緒に責任を取るから、ミスを恐れずどんどんチャレンジしておいで」と言える上司こそ、部下が尊敬・信頼し、一緒に働きたいと思える上司と言えるでしょう。

自己中心的な行動を取る

自己中心的な行動を取る上司は、自分の利益や目標を最優先し、部下や組織の利益を二の次にする傾向があります。自己中心的な上司は、自分の成功を強調し、他人の貢献を適切に認識しないことがあります。これは、チームの一体感を損ない、部下のモチベーションを低下させる可能性があります。

優れた上司は、「自分の成功は部下のおかげ」と考えます。少なくとも周りから見たときには、自身の功績を誇る以上に、部下を褒め称え、部下の成功をサポートしているように見えるものです。しかし、残念な上司ほどその逆で、部下のお陰で成功した場合でも、自身の苦労話を嬉々として語ってしまうものです。優れた上司は、常に謙虚で、周りへの感謝と気遣いを怠らないものなのです。

 


いかがでしょうか。ここに紹介したような特徴を持つ上司は、部下からの信頼を失い、職場の雰囲気を悪化させる可能性が高い、アホ上司予備軍であるといえるでしょう。

 

残念な上司との付き合い方で気をつけるべきこと

残念な上司に当たってしまった場合、振る舞いには十分に気をつける必要があるでしょう。こうした人間は自身の至らなさによるストレスを、他人にぶつけがちな傾向があります。また、不出来な人間であるほど、自分の至らなさを直視することができないため、人間としての成長に期待はできません。部下としては、上司が代わるまで、息を潜めて待つことしかできません。

このときに大事なのは、残念な上司のペースに巻き込まれてはいけないということです。彼らに目をつけられると、いつまでもネチネチと小言を言われ続けることにもなりかねないため、できる限り彼らの地雷を踏むことがないように努めることが大切です。

そのためのポイントを、いくつか一緒に見ていきましょう。

感情的にならない

残念な上司との対話では感情的にならないことが重要です。あなたが怒りやフラストレーションで感情的になると、プロフェッショナルな判断を誤る可能性があります。例えば、感情的な状態では、業務上の決定を誤ったり、他のスタッフとの関係を損ねてしまう可能性があります。

あるいは、こちらが感情的になるあまり、彼らのプライドを刺激するような発言をしてしまうと、嫌がらせの対象にされてしまう可能性もあります

残念な上司と接するときほど、いつも以上に落ち着きを保ち、冷静に対応することを心掛けましょう。そして、迂闊なことは言わず、必要最低限のコミュニケーションを心がけると良いでしょう。

公私の分離

上司との関係は仕事のレベルで保つべきです。すなわち、必要以上に距離を詰めず、適度な距離を維持することが大切です。

関係が良好な上司であれば、プライベートな時間を活用して飲みに行ったりするケースもあると思いますが、残念な上司と時間を過ごしても、得るものがないばかりか、不快な気持ちになって終わりです。あなたの大切なプライベートの時間まで、捧げてしまうことのないように注意してください

幸い、ハラスメントへの目が厳しい時代なので、仕事以外のコミュニケーションを避けたとしても、執拗に絡んでくることはないでしょう。

仕事の品質を維持する

上司があなたを攻撃する隙を与えないように、きっちりと仕事をするように意識すると良いでしょう。そのためには、「何か仕事に取り組む前に事前確認を徹底する」「不安な事があれば具体的な言葉にして確認する」といった工夫をすると良いでしょう。さらに、後述するドキュメンテーションまで徹底するとより完璧です。

高いパフォーマンスを維持することで、自分自身の価値を組織全体に示すことができ、上司からの不要な攻撃を避けることができるでしょう。

ドキュメンテーション

上司との会話や指示、決定事項などを文書化し、保存しておくことが有用です。これは、後で何か問題が起きたときに、事実を証明するためのエビデンスとして役立ちます。特に、上司が不適切な行動をとった場合や、上司との間に意見の相違が生じた場合には、このドキュメンテーションが重要となります。

良い上司が相手であれば口頭確認で良いような内容でも、残念な上司が相手であれば必ず文書化しておいた方が良いでしょう。残念な上司が「そんなこと言っていない」「そういう意図ではなかった」と言い訳したときに、「でも、指示のメールが残っていますよ」と返す刀で突きつけてやると良いでしょう。

自己保護

上司の行動があなたの健康や幸福に悪影響を及ぼす場合、自己保護が必要です。これには、ストレス管理テクニックの習得や、適切な休息とリラクゼーションを確保することが含まれます。また、上司の行動が適切でないと感じた場合は、組織の上層部や人事部に報告することも重要です。自己保護の一環として、必要に応じて専門のカウンセリングやサポートを求めることも考慮に入れましょう。

一番もったいないのは、残念な上司の犠牲になってメンタルブレイクを起こしてしまうことですいざあなたが働けなくなっても、会社はあなたのことを守ってくれません。まずは自分のメンタルを守ること。そして、いざというときに相手を訴えるためのエビデンスを日頃から集めておくと良いでしょう。

プロフェッショナルネットワークの維持・拡大

信頼できる同僚やメンターを持つことは非常に有用です。彼らはあなたが直面している問題を共有できる安全な場を提供し、アドバイスを提供し、あなたの視点を広げるのに役立つでしょう。また、彼らはあなたが職場で経験している困難についての情報を提供し、その解決策を模索するのを支援することができます。

大抵、どんな人でも一度は「残念な上司」とのコミュニケーションに悩まされた経験を持っているものです。その時、その人達がどうやって難局を乗り越えたのか、アドバイスを貰っても良いでしょう。また、話を聞いてもらえるだけでも、ある程度心を落ち着ける効果が得られるでしょう。

但し、誰かに話を聞いてもらうときは、その人が信用できるかどうか、注意して見極めてください。中には、酔った勢いで本人に暴露してしまう輩も存在します。こういった相談は、ごく限られた身内か、あるいは、社外の人に相談するように気をつけておくと安全です。

 


これらの注意点を心に留めておくことで、残念な上司を上手くやり過ごすことができるでしょう。

まとめ

今回は、残念な上司に当たってしまったときの対処法と注意点についてご紹介しました。

大切なのは、「他人を変えることはできない、変えられるのは自分だけ」ということです仮にあなたが残念な上司に当たったとしても、その人の考え方や人間性を改めさせることはほぼ不可能です。それはもう、地震や嵐といった自然災害に近いかもしれません。つまり、「自然災害を止めることはできない、できることは防災に努めて見の安全を守ることだけ」なのです。

今回ご紹介したような対処法を心に留めておけば、どんな上司にもある程度は対応できる自信がつくはずです。あなた自身が安全な職場環境で働けるようにするために、これらのポイントを活用してみてください。

そして、読みながら気付いた方もいるかもしれませんが、今回紹介したのは何も上司だけに限った話ではありませんあなた自身が、「残念な部下」「残念な先輩」になっていないか、注意してくださいね。「人の振り見て我が振り直せ」です。

この記事が、皆さまの平穏で楽しい職場づくりに少しでもお役に立てればば幸いです。

それではまた、次回の記事でお会いしましょう!