お金がなくても幸せに暮らすには?ドイツ人の価値観から学ぶゆとりある生活の秘訣

「お金がなくても幸せに暮らしたい」と思うなら、熊谷徹さんの「ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が『豊か』なのか」がオススメです!

 

あなたはこんなことを思ったことはありませんか?「もっとお金があれば、もっと楽しく、幸せな生活が送れるのに…」と。社会の中で働き、生活を営んでいると、お金がなければ幸せになれない、と思ってしまうこともあるかもしれません。しかし、その思い込みが実は、幸せを見つけることを妨げているのだとしたらどうでしょうか

実は、収入が少ないのに豊かな生活を送っている人たちがいます。それが、ドイツ人です。彼らの年間平均手取り収入は約290万円で、日本人の平均手取り収入約320万円より低いです。しかし、彼らの生活満足度は日本人を上回っています。

今回は、少ない収入でも豊かに生きる彼らの生活術を紐解いていきます。「お金がなくても幸せに暮らしたい」というあなたの願いを叶えるためのヒントが詰まっています。ドイツ人の生活術を参考に、自分なりの豊かさと幸せを見つけてみませんか?

ドイツ人の収入事情と生活満足度

本題に入る前に、まずはドイツ人の収入と生活満足度について詳しく見ていきましょう。

冒頭にも紹介した通り、統計によると、日本の平均年間手取り収入は約320万円とされているのですが、実はドイツ人の年間平均手取り収入は約290万円で、日本よりも低い水準なのです

ドイツ人の年間手取り収入が低くなる理由は主に2つあります。まず一つ目は社会保険料の高さです。ドイツでは、社会保険制度が非常に充実しており、そのために必要な費用が社会全体から徴収されています。二つ目は、19%という高い付加価値税(消費税)です。これにより、手元に残る収入が少なくなるのです。

しかし、収入が少ないにもかかわらず、生活満足度は日本よりも高いのです。OECDの調査によれば、ドイツ人の生活満足度は10点満点中7.0点となっており、日本の5.9点を大きく上回っています。これはいったいどういうことなのでしょうか?

低収入でありながら、どのようにしてドイツ人は生活に対する満足度を高く保つことができているのでしょうか?ここからは、その秘訣を探っていきます。

生活に時間的なゆとりを作る

まず挙げたいのは、ドイツ人は「お金」よりも「自由時間」を大切にしている、という点です。

意外に思われるかもしれませんが、時間的なゆとりがないと、人間は浪費に走りがちなのです。なぜなら、毎日の忙しい仕事を通して溜め込んだストレスを、仕事と仕事の合間の限られた時間になんとか発散しないといけなから、高いものを食べたり、車を買ったり、ブランド品を買ったりして、短期的に得られる快楽に走ってしまうためです。

しかし、時間にゆとりがあると、お金をかけずにリフレッシュできます。実はドイツ人は、「お金」よりも「自由時間」を確保することに価値を感じる、というのが日本人と大きく違う点なのです。この自由時間を活用して、しっかりと休息を取り、リフレッシュすることが彼らの生活のベースになっているのです。

実際に、時間にゆとりがある人は、その自由時間を有意義に活用することで、お金をかけなくてもリフレッシュすることができます

例えば、定時に仕事を終えて家に帰り、自炊して体に良いご飯を食べ、散歩やジョギングを通して適度に運動し、趣味を楽しみながらでゆったりと時間を過ごす。そして、眠くなってきたらたっぷりと眠る。こうした健全な生活を行っていれば、ストレスもあまり溜め込まなくて済むし、お金をかけなくても十分にリフレッシュすることができるため、何かを買ったりしなくても十分に幸福を感じられるのです。無駄遣いの必要性を感じなくなる、というわけです。

逆説的に聞こえるかもしれないが、お金をかけずに幸せになるためには、まず、お金のために働き過ぎることをやめて、自由時間を確保することがスタート地点になるのです。

自分でできることは自分でやる

ドイツ人はDIYの精神が染み付いており、例えば自宅での家電の設置や修理等、自分でやってしまうことが多いそうです。この考え方が、お金をかけずに快適に暮らすポイントになるのです。

日本では苦手なことは業者にお金を払って解決してもらおうとすることが多いのではないでしょうか。家電を買ったら設置をしてもらう、故障したら修理に出す。快適なサービスではあるかもしれませんが、そこには勿論、サービス料が発生しますよね。

業者でないと解決できない場合は仕方ないかもしれませんが、自分でやればできるような細かいことまで何もかも外注していては、いつまで経ってもお金は貯まりません。一方、もしそれらを自分でやることができれば、お金の節約につなげることができるわけです。

例えば私は、旅行に出かけるときに決して代理店を使いません。自分でインターネットを使って格安航空券を手配し、複数サイトを比較してできる限り安く宿を予約します。現地ツアーに参加したいのであれば、ツアー会社に直接依頼します。自分ですべて手配することができれば、代理店のパッケージと同じ内容の旅行を、遥かに少ない金額で楽しむことができるのですから

皆さまも、お金を払ってお願いしているサービスに対して、「もしかして自分でできるのではないか?」という疑問を持つところから始めてみてはいかがでしょうか。何でも自分でできるようになれば、少ないお金でも快適で楽しく暮らせるようになりますよ!

お金のかからない趣味を見つける

ドイツ人は、読書やサイクリングなど、無料で楽しめる趣味を持っている人が多いそうです。また、日常の中に自然と触れ合える公園などが数多く存在し、これらの環境で趣味を楽しむことも多いそうです。皆さまも御存知の通り、自然の中で過ごすことはそれ自体がリラクゼーション効果を持ちます。

近くの森林公園で、読書やジョギング、サイクリングを楽しむだけなら、1円も使わずにリラックスした休日を過ごせるわけですから。こうした趣味を持つことで、お金をかけずに、余暇をゆったり快適に過ごすことができれば、まさに一石二鳥ですよね!

想像してみてください。あなたは休日に家の近くの森林公園を訪れたとします。目の前いっぱいに広がる青々とした芝生や木々。柔らかい風が肌に触れ、木々のこすれる音が聞こえる。空は抜けるように青く、芝生に目を向けてみると子供たちが楽しそうに遊んでいる。魔法瓶に入れてきた自前のコーヒーを片手に、ベンチに座って趣味の読書を楽しむ。この時間はもう「極上のリラクゼーション」と言っても良いのではないでしょうか。

ドイツ人は、こうした「お金をかけずに楽しみを見つける」達人なのです。誤解しないで欲しいのは、私は決して「趣味や余暇にお金をかけるべきではない」と言っているわけではないのです。お金をかけずに得られる喜びや楽しみに、より意識を向けることができれば、人生の幸福度はさらに高まるよ、ということをお伝えしたいのです。

幸せを「見つける」思考

いかがだったでしょうか。本日は、ドイツ人の考え方や習慣から、「お金がなくても幸せに暮らすためのヒント」について考えてきました。

もしかすると、日本人の多くは「お金がない=幸せになれない」という思い込みを持っているのかもしれません。しかし、必ずしもそうではありません。なぜなら、幸せとは、「なる」ものではなく、「見つける」ものだからです。このことを理解していないと、皆さまがどれだけ頑張ったとしても、決して幸福にはなれないでしょう。

ドイツ人はこの幸せを「見つける」力に長けているからこそ、少ない収入でも幸せに暮らせるのだと思います

ドイツには、「贅沢は尽きないが、ないならないでやっていける」という諺があるそうです。私達も、終わりの見えない無いものねだりをするのではなく、今あるものに目を向ける考え方を持つことが大切なのかもしれません。

今回紹介した3つのポイント以外にも、本書には人生を豊かにするための数多くのヒントが詰まっています。是非一度お手に取っていただき、収入に振り回されずに豊かな生活を送るヒントを見つけてみてください。

それではまた、次回の記事でお会いしましょう!