男性が育児休暇を取るメリットと、その取得に向けた社会の課題

男性のみなさま!育休は取得されていますか?

我が家では、子供の出産のたびに、父親である私が育児休暇を取得しています!現在は第二子の出産後の育休を満喫中です!

先日、保育園の先生と話していたら、「男性なのに育休を取得するなんて、父親の鏡ですね」と声をかけられたんです。私はちょっぴり驚きました。自分にとっては、子育てを夫婦で平等に負担することは当たり前だったし、そもそも休みを取ること自体には対して価値もないと思ったから。

この経験を通して、「男性の育休取得ってまだまだ当たり前じゃないんだなぁ」と実感するとともに、自分が恵まれた立場にいることを再認識しました。それと同時に、父親が育休を取得するのが当たり前の世の中になって欲しいと強く思ったんです。そこで、今回は男性の育休取得をテーマに記事を書いてみたいと思います。

パパも育休!男性が育休を取得するメリットとは

まずは、男性が育休を取得することのメリットを考えてみましょう!

家族との絆の強化

まず考えられるのが、子供の成長と発達の重要な段階に参加でき、それにより家族全体の絆を深めることができること。私自身、一人目の長男の育児のために育休を取得したことで、息子との絆が深まったことを感じています。こんなに愛おしい息子と、一日中一緒に過ごせる喜び。「仕事の合間に子供と触れ合う」のではなく、「子供との触れ合いに集中できる」ことが、こんなにも自分の心を豊かにしてくれるものなのか、と実感しました。

育児スキルの獲得

育児休暇を通じて、男性は育児に関するスキルや知識を学び、自身の親としての能力を向上させることができるでしょう。当たり前のことかもしれませんが、育休を通して、私も家事全般に自信を持つことができました。今では、もし仮に妻が「一週間出張に行きたい」と言えば、いつでも心に余裕を持って送り出すことができます。(もちろん、私の仕事の都合がつけば、ではあるが)

パートナーの支援

育児休暇を取ることで、パートナーに対する家事や育児の負担を軽減し、一緒に育児を楽しむことができるようになります。私は妻の職場復帰のタイミングに合わせて育休を取得しているのですが、妻が仕事に専念できるようにサポートできることは自分にとっても大変やりがいがあるし、夫婦の絆を深める上でもとても価値があります。育休が終わったあとも家事のスキルは残るので、当たり前のように役割分担ができることは、ストレス軽減にも役立っていると思います。

性別のステレオタイプの打破

男性が育児休暇を取ることは、一般的な性別の役割に挑戦し、男性もまた育児に深く関与できるという考え方を推進することができるでしょう。今の世の中では当たり前ですが、「男性が仕事、女性は家事と子育て」という考え方はあまりにも凝り固まっていますよね。もし女性がキャリアを継続したい、男性が子育てに集中したい、という願望があるのであれば、当たり前に叶えることができる世の中になって欲しいと思います。そのほうがお互いに幸せですよね?

子供との絆の形成

直接的に子供の世話をすることで、父親と子供の間に深い絆が形成できること。これは子供の成長と発達にとって重要だし、その後の人生における父親と子供の関係にも影響を与えるでしょう。私の父親は子育てに関わらないタイプだったので、幼少期に一緒に過ごした記憶があまりないんです。私はそれがちょっぴり寂しかった。だから、自分の子供達には、「父親が自分たちのことを愛してくれていた記憶」を抱えて大きくなってほしいと思っています。育休はそのための土台作りになると思うんです。

職場での理解と柔軟性の促進

育児休暇を取る男性が増えることで、職場における家庭と仕事の両立に対する理解が深まり、より柔軟な働き方が広がる可能性があります。その結果、職場全体として働きやすい環境を作ることにもつながるでしょう。実際に、私の職場では子供が生まれたら育休を取得するのが当たり前、という文化が形成されており、日頃の業務についても、いつ誰が抜けても大丈夫なように仕事の属人性を極力排除する仕組みづくりをしています。その結果として、業務効率は上がり、日頃から、誰もが定時に帰宅しても仕事が回るような体制になっています。これは、「いつ誰が、どのような理由で仕事を抜けることになっても、安心して送り出せる職場づくり」を日頃から進めていることの成果です。そして、「育休取得を当たり前にする」という目的があればこそ、こうした環境づくりが促進されたんです。

ここまでみたように、私の経験上でみても、男性が育休を取得することには本当に多くのメリットがあるんです。一方で、日本社会ではまだまだこの文化が浸透していないことも実感しています。次回の記事では、男性が育休を取得する上で想定される障害と、その対策について考えていきましょう。

男性育児休暇取得の課題と解決:情報不足と啓発の必要性

職場の文化や規則

一部の企業や組織では、男性が育児休暇を取ることに対する理解がまだ十分ではない場合があります。職場の雰囲気や評価基準、昇進制度などが、男性が育児休暇を取ることを阻むこともあります。

実際に、日本では育休制度自体は整っていても、実際に運用する上で心理的ハードルを感じるケースを良く聞きます。こうした会社の文化を変えるためには、人事制度だけではなく、そこで働く社員全員が男性育休のメリットを理解し、想定されるリスクへの対策を行う必要があります。そのためには、誰かが主導となって、少しずつでも啓発を進めていくしかないと思います。

社会的な期待とステレオタイプ

伝統的な性別役割分担により、男性は「働き手」と見なされ、女性は「育児者」と見なされる傾向があるため、男性が育児休暇を取ることは一般的にはまだあまり受け入れられていないかもしれません。

これについては夫婦間での話し合いで解決できそうですね。余計なお世話かもしれませんが、パートナーとの結婚を選択する前に、このあたりの価値観をすり合わせておくと、いざとなってバタバタすることもなく、双方にとって満足度の高い人生を送ることができるようになると思います。

経済的な理由

男性が多くの場合家庭の主な収入源であるという観念が根強いため、男性が育児休暇を取ると収入が減少する可能性があり、それが負担になる家庭もあるかもしれません。

これについては、使える制度と取得期間を熟考すれば問題ないでしょう。男性の育休取得は所属組織との合意が取れれば、自由に期間を設定できます。また、一定期間であれば国からの補助金ももらえます。ご改定にとって経済的に問題のない範囲で、可能な限り長期に育休を取得する、あるいは、短期の取得を複数回に分割して取得する、等の解決策が良いでしょう。

情報不足

男性が育児休暇を取得することのメリットや、取得するための具体的な手続きについての情報が十分に伝わっていない場合があります。これは上記1にも通じる問題で、実際に多くの企業が男性育休の実例を持っておらず、どのようなメリットやリスクが想定されるのか十分に理解できていないケースが散見されます。

これについては、誰かが中心となって情報を集め、社内に啓発する努力をすることでしか解決できないです。例えば、男性育休の取得促進に向けた社内セミナーを開催する、等の方法で地道に啓発していくしかないでしょう。経営者も、この時代にあって男性育休のニーズを無視することはできないし、管理職も上意下達であれば無視することはできないと思います。

そもそも論になりますが、誤解を恐れずに言えば、未だに男性育休の問題を放置している会社であれば、もしかすると将来が危うい会社かもしれませんので、転職を考えても良いかもしれません。それくらい、今の世の中にあって、男性育休に理解を示さないことは時代遅れだと言えます。だって、例えば人事面で見れば、人材を採用するときに「そんな会社には入りたくない」といわれて優秀な人材を逃すリスクが高まります。管理職にとってみれば、部下の福利厚生に関心を持てない人など、今どき転職市場では大して評価されない可能性が高いでしょう。それくらい、取り組むことが当たり前の課題なのです、男性育休は。

まとめ

いかがだったでしょう。男性が育休を取得することはとてもメリットが多いことがご理解いただけたのではないでしょうか。もちろん、無理に取得する必要はないですが、もしあなたが、「一定期間、子育てに専念してみたい」、「奥さんの職場復帰をサポートしたい」と思うのであれば、ぜひ積極的に取得に動いて欲しいと思います。

そして、もしかすると取得にあたって障害があるかもしれませんが、いざとなって慌てることがないように、日頃から少しずつ準備を進めておくと良いかもしれません。会社と連携して啓発に努めるもよし、会社に見切りをつけて転職を考えるもよし、です。「子育てにもっと時間を割きたい」という理由で転職する人、私の周りでもちょこちょこ聞きますよ!

ちなみに!一度取得することが当たり前になってしまえば、雪崩を打つように、後の人たちは取得しやすくなります。ぜひ、臆することなく、あなたがファーストペンギン担ってくれると嬉しいなと思います。

お互いに、家族との時間を最優先して、幸せな人生を過ごしましょうね!